子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ
恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。
保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。
出典:
マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行
「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」
☆子どもがやる気の背中を押す!☆
◇子どもが、自主的に勉強をする時があります。それは、子どもがその科目を好きになった場合と、その科目が出来そうだとか、分かりそうだとか実感した時です。そういう時に子どもは自主的に勉強をし出します。
◇先週や今週は、ちょうど、学校の成績が返ってきたのではないでしょうか。その成績を使って、子どものやる気の背中を押してみてはどうでしょうか。
お母さん:3学期(後期)の成績は、どうだったの?
A 君 :え~?・・・・。
お母さん:見せてみなさいよ。あなたの努力の結果なんだから。
A 君 :え~。大した変化はないよ
お母さん:体育頑張ったじゃない!
A 君 :まあね。バスケットだったからね。
お母さん:好きなものは、やっぱり上手いんだ!流石じゃない!
A 君 :そんなことないよ。バスケ部の奴らのほうが、全然上手いよ。
お母さん:お母さんは、別に他人と比べてないのよ。あなたが、好きなことで活躍するればいいのよ。他に社会も頑張ったじゃない!
A 君 :まあね。
お母さん:テスト前頑張れば、やっぱり先生も認めてくれるのよね。
A 君 :たまたまだよ。山が当たったんだ!
お母さん:やれば出来るのよ。何で社会頑張ったの?何か理由があったの?
A 君 :別に。ただその時は、興味のあるところがテストに出たんだよ。
お母さん:じゃあ、英語は、あなたはどう思っているの?
A 君 :え~。どういうこと?英語は、嫌いだよ。
お母さん:なんで、嫌いなのよ?
A 君 :面倒くさいから。
お母さん:でも、英語がしゃべれたら、かっこいいのに。
A 君 :そうだけどさ。単語が分からないし。
お母さん:そうね。お母さんも単語が全然ダメ。でも好きな英語の歌の歌詞を訳してみたら、案外、習ってた単語が一杯あったから、直ぐに訳せた。それからよ、お母さんが英語を少し好きになったのは。あなたも、この春は英語の歌でも聴いてみたら。
◇こんな会話でもいいので、子ども達のやる気を刺激してみてください。得意なこと、好きなことに焦点を合わせて、会話をしてみてください。子どもだけのことを聞くのではなく、自分のこともしゃべりながら、ぜひ、子どもと会話をしてほしいのです。何気ない会話が、子どものやる気の背中を押してくれるかもしれないのですから。
『子どものやる気の背中を押す!』
☆2018年度スタートにあたって!☆
◇今日はなんと、私の57回目の誕生日です。アドラー心理学を知って33年が経ちました。あの頃、子育ての理論を勉強しに、東京の三田まで毎週通っていました。あの頃と比べて、今は、随分と便利になりました。いたるところで、アドラー心理学を学べるようになったからです。
◇さて、今回は、年度替わりということで、基本的なことを整理しておきたいと思います。
1.子育ては、子どもの心のエネルギーを高めるプロセス
2.そのためには、セルフ・エスティームを高めるアプローチが重要
3.セルフ・エスティームとは、自己重要感
4.自己重要感とは、重要な他人から自分が重要だと思われている実感
5.セルフ・エスティームを高めると自分の可能性を信じることが出来るようになる
6.自信(自分の可能性を信じること)を持つとやる気が高まる
7.やる気=可能性×スキル
8.子どもを見る視点は、子どもの当たり前に出来ていることに注目する
9.存在承認・成果承認・未来承認を心がける
10.共感的なコミュニケーションで親子関係を対等な信頼関係にしていく
◇このメルマガはこの10項目を意識して、具体的な事柄を書いていこうと思っています。2018年度もよろしくお願いします。
☆ 親の期待を習い事で押し付けない! ☆
◇以前、こんな相談がありました。それは、小学校6年生のお子さんを持つお母さんからの相談でした。「子どもが全ての面で、無気力になっているように思うのだけれども、どうすればよいのでしょうか」という相談でした。
◇詳しい事情を聞いてみると、その子はなんと、5つもの習い事をやっていたのです。習字、水泳、ピアノ、公文式、個別指導塾と、5つも。そして、週のほとんどの曜日で何かしらの習い事をやっていました。それも一日で2つも習い事がある日もあるのです。まるでタレントのような状況でした。
◇何でそんなにやらせているのか、そのお母さんに尋ねてみると、将来、大きくなった時に、色々な選択肢を持っておいた方が良いからと言っていました。そんなに習わせても中途半端になるだけではないかと言うと、うちの子はみんな一生懸命やっていますから、それは心配ないとお母さんは言うのです。しかし、お子さんは無気力になっているのですが。
中土井 :お子さんは、どの習い事をしている時が楽しそうですか?
お母さん:そうですね。これと言って特別楽しそうにやっているものはないと思います。
中土井 :そうですか。それでは、本人に本当にやりたいものは何?と聞いてみたことはありますか?
お母さん:ありませんが、みんな頑張っているので、きっと全部やりたいと言うと思います。
中土井 :そうですか。しかし、お子さんは無気力なんですよね。お母さんはどんな点が心配なんですか。
お母さん:最近、何をするにしても自信がないような感じなので、ちょっと心配だったのです。
中土井 :そうですか。お子さんは、なんでそんなに頑張っているのでしょうか。お母さんが、もし今のお子さんの立場だったら、この1週間の過密スケジュールをどう感じますか?ちょっと想像してみてください。
◇こんな会話をしながらお母さんに、今のお子さんの状況を想像してもらって、お子さんと話をしてもらうようにしました。子どもに色々な期待を持つことは、親として当然のことですが、その期待を子どもに現実的な形で、どんどん押し付けてはいけないかもしれません。
◇こんなに習い事が多ければ、自分の中でなんでこの習い事をやっているのか、意味が見出せなくなってしまうはずです。そうなれば、親の期待に必死に応えようとして頑張っていた子どもの気持ちが、切れてしまっても仕方がないのです。
◇何のための習い事なのか、子どもにとっての習い事とは何なのか、その辺をしっかり親は整理しておきたいものですし、子ども本人と確認しておきたいものです。
『親の期待を習い事で押し付けない!』
☆子ども本人の時系列で成長を認める!☆
◇私たちは、誰でも他人と比較されることを嫌います。子どもも同じで、特に、「誰誰ちゃんよりダメ」なところを言われるのが、一番傷つきます。つまり、子育てでは、他者比較はしないほうが良いのです。
◇それでは、どうするか。叱咤激励をする際に、他者比較ではなく子どもにどうやって実感してもらえばよいのか。それは、子どもの時系列を振り返って本人の過去と今と未来について語ってみることです。そして、叱咤激励ではこの時系列で子どもの成長を比較するのが、有効なことだと思います。
◇出来たこと、出来なかったことを本人の過去と今を比べてみると子どもの自信につながっていくと思います。そして、もう少し大きくなったら、こんなことも出来るようになるんだよと教えてあげるのです。子ども自身が、自分の成長を確認できますし、将来の成長に関してもイメージがしやすくなるというものです。
お母さん:昔のA君は、ここまではできなかったわ。
A君 :え?そうかな?
お母さん:そうよ。2年前には、まだできなかったと思うわよ。
A君 :だって、この程度なら簡単だもん。
お母さん:A君が、成長したら簡単に出来るのよ。A君には、わからないかもしれないけど、人間って徐々に成長していって、出来ないことが何でも出来るようになっていくのよ。A君も成長の途中だから、ドンドン出来ることが増えていくわよ。
A君 :そうかな。まだまだ出来ないことが多いけど。
お母さん:今は出来ないけど、A君は、もう少ししたら、こんなことも簡単に出来るようになるわよ。そして、多分、こんなことも考えられるようになると思うわ。凄いと思わない?!
A君 :もし、出来たら凄いね。
お母さん:大丈夫!絶対出来るから。
◇こんな会話で、子どものセルフ・エスティームは、高まるものです。子ども自身の時系列での能力比較をすることで、子どもの今を承認してあげましょう!それが、やる気を引き出すことに繋がるのですから。
『昨日の子どもを基準にして今日の子どもの成長を評価しよう!』